「くらしの百科」は、産経新聞発行の生活情報誌です。
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Recipe03  眉山− びざん −

娘はいつしか、母の存在が疎ましくなる…。
誰もが感じる瞬間から見事に昇華させた感動作。

【CAST&監督】さだまさし原作、犬童一心監督。松嶋菜々子、大沢たかお、宮本信子ほか


あの秀作「東京タワー」と対になってるような母娘愛情物語。
さめざめと泣いてしまった。徳島にあって江戸弁でしゃべり倒す粋な母さんを、久しぶりの映画出演となる宮本信子が演じ、堂々たる芝居。冒頭から押し捲り比較的平坦な(しかも、ち ょっとレトロな雰囲気の)物語に起伏をあたえ、観客をぐいとスクリーンにひきつける。好き嫌いは出るかも知れないが、この母にとにかく後半泣かされるのだ。大島ミチルの音楽が流れると絶対落涙(←ホント)。そして、クライマックスの夏の阿波おどり。これが予想だにしなかった映画的興奮。私は阿波おどりをなめていた。まるでミュージカル映画のような高まりなのだ。これはスクリーンでなければ味わえないよ。「犬神家」では借りてきた猫のようで心配だった松嶋菜々子が、その熱演で感動を高めたのも ◎ だ。(C)笠井

 

Recipe03  しゃべれども しゃべれども
落語界を舞台にした落伍者たちの戸惑い日記。
これが なんだかいいんだなあ。じんわり…

【CAST&監督】平山秀幸監督、国分太一、香里奈、森永悠希、松重豊、八千草薫、伊東四朗ほか


何なのだろう、この暖かさは、このこみ上げてくる感動は…。
人が死ぬわけでもない。大恋愛でも厚き友情の話でもない。真打がまだまだ遠い二つ目の落語家(国分太一)の下に話しべたな3人(若い女性・オヤジ・子供)が集まって、落語教室が 始まり、発表会がある。それだけの話なのだ。なのに静かに深い余韻を残す作品となった。すべてはこのタイトルの中に含まれている。うまく心が伝わらないもどかしい思いを誰もがどこかで感じてる。思いが届かない3人は観客の代表だ。笑わないヒロイン香里奈に心動かされ。関西弁でまくし立てる小学生の森永くんは忘れがたい(またも天才子役)。そして、何より悩める落語家をその奥底にあるやさしとともに演じた国分太一の素晴らしさ。彼の「火焔太鼓」(熱演!)を本当の高座ですべて見たくなった。
(C)笠井

 

Recipe03  パッチギ!LOVE&PEACE
あの名作の続編がついに公開
ダイナミックな後半が見事。
【CAST&監督】井筒和幸監督、井坂俊哉、西島秀俊、中村ゆり、藤井隆ほか


「沢尻エリカじゃないの?」の声に代表される、続編なのに主役交代という非連続性が本作の不安要素だ。ところが、これは戦争時に在日朝鮮人を日本人として、強制的に戦わせた史実と、その後の在日の生き様を日本人に突きつける物語であった。
井筒監督は前作「日朝ロミオとジュリエット」(LOVE)から、さらに深い所(PEACE)に手を伸ばしたのだ。後半の戦闘シーンの激しさと、あのラストを一人で見事に演じきった新人中村ゆりに脱帽。
ある種、異質の続編は涙とともに考えさせる作品となった。(C)笠井