笠井アナの「僕のえいがの百三十科」#172

 ゴジラvsコング   ジェントルメン  くれなずめ

 

うぉお!ついに、「ゴジラvsコング」が公開されます。コロナの影響でハリウッド超大作映画は次々と公開が延期される中でやっとです。興奮しているのにはもうひとつ訳が…実は【日本語吹き替え版】に出てるんです!観てね。

  ゴジラvsコング

破壊神〈ゴジラ〉と 守護神〈コング〉が大激突! 最強はどっちだ!

 本当に最高だった! 前作のハリウッド版はゴジラ愛に満ち、マニア心を喜ばせた。今回はコングとの1vs1。壮絶バトルが何ラウンドも展開する。コロナで自粛を余儀なくされていた人たちのストレスを映画館で少しでも解消してもらいたい。

 フルCGが発達したことによってカメラワークが自在になり、クローズアップで、これまで不可能だった迫力のショットがいくつも出現している。東宝の試写室で映画を見たことを初めて後悔してしまった。環境のいい、あの試写室でも画面が小さすぎる。これはシネコンの大画面・大音響で楽しむべき作品だ。私はiMAXでもう一度楽しむつもり。米国では本作のネット配信が劇場公開と同時にスタートしたが、ホントにありえない!ゴジラvsコングのバトルを、スマホの画面で楽しもうというのだ。それってもはや犯罪行為だよ。


(C)2021 WARNER BROTHERS ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.
5月14日(金)全国ロードショー

監督:アダム・ウィンガード
脚本:エリック・ピアソンマックス・ボレンスタイン

キャスト:
アレクサンダー・スカルスガルド ミリー・ボビー・ブラウン レベッカ・ホール 
ブライアン・タイリー・ヘンリー 小栗旬 エイザ・ゴンザレス
ジュリアン・デニソン カイル・チャンドラー デミアン・ビチル

  ジェントルメン

くせ者たちの裏切り、騙し合いをスリリングに描く、痛快クライム・サスペンス。

 洒落た、おかしみのあるアクション映画を撮ることで評判のガイ・リッチー監督。本作のように脚本も手掛けると〝 らしさ 〟があふれ出る。500億円もの大麻ビジネスに群がる悪人たちの駆け引きと騙し合いのクライムアクションだ。マシュー・マコノヒーはじめ、登場人物はくせ者ぞろい(特にコリン・ファレル演じるダサいオヤジが◎)。若い頃は恋愛もので大人気だったヒュー・グラントが、こざかしい雑誌記者を楽しげに演じていて、その語りを聞いているだけで面白い。

毎回思うが、ガイ映画は話のテンポが速い(笑)。でも、とにかくセリフが洒落ているのだ。センス良く、小気味よく、しかもたたみかけるようなやりとりを聞いていると、この映画のアクションは体ではなく「言葉で戦っているのだ」ということがわかってくる。いつもながらの鮮やかな編集もまた良し。


(C)2020 Coach Films UK Ltd. All Rights Reserved.
5月7日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー

監督・脚本・製作:ガイ・リッチー

キャスト:マシュー・マコノヒー、チャーリー・ハナム、ヘンリー・ゴールディング、
ミシェル・ドッカリー ジェレミー・ストロング、エディ・マーサン、
コリン・ファレル、ヒュー・グラント

  くれなずめ

ある日突然、友人が…。僕らはそれを認めなかった。

 次代の日本映画を背負って立つ監督の一人といえる30代の松居大悟監督の最新オリジナル作品。やはり才能を感じさせるものだった。今回は成田凌を主演に、友人の結婚式で余興をするために久しぶりに集まった高校時代の友人たち6人の、披露宴が終わってから二次会に向かうまでのひとときを描いている。

 見ているこちらはやや違和感を感じながら、次第に彼らが受け入れがたい現実と向き合っていることに気づいてくるのだ。青春ファンタジーといえばいいだろうか。この手の仕掛けをした作品はこれまでもあったが、今回のようなパターンは初めて。クライマックスは本当に皆の芝居のうまさに涙が流れてくるのだが、監督はそうはさせじと奇想天外なシーンも盛り込んで、理解しがたいシーンを観客に突きつける。こういうところに作家性と、この監督の面白さがあるのだ。


(C)2020「くれなずめ」製作委員会
4/29(木・祝) テアトル新宿他にて全国ロードショー

監督、脚本:松居大悟
キャスト:
成田 凌 若葉竜也 浜野謙太 藤原季節 目次立樹/飯豊まりえ 内田理央 小林喜日 都築拓紀(四千頭身)/城田 優 前田敦子/滝藤賢一 近藤芳正 岩松 了/高良健吾

笠井信輔

フリーアナウンサー

1987年フジテレビアナウンス部入社後2019年10月よりフリーになる。
趣味の映画鑑賞は新作映画を年間130本以上スクリーンで観るほど。
舞台鑑賞は特にミュージカル、とりわけ宝塚歌劇団好き。

オフィシャル・ブログ
笠井TIMES『人生プラマイゼロがちょうどいい』

オフィシャル・インスタグラム
shinsuke.kasai