ひざ痛 これだけ体操
ひざの痛みの約9割は、ひざ関節の軟骨がすり減り、関節が変形する「変形性膝関節症」が原因です。厚生労働省によると、その国内患者数は予備軍も含め約4000 万人と推定されています。40代に入ると急激に患者が増え、60 ~ 80代では女性の約60 ~ 80%、男性の約35 ~ 50%がひざ痛の悩みを抱えているのだとか。
ひざの痛みを感じながら、「もう年だから…」とあきらめていませんか? 今回の特集では、メディカルトレーナーの高林孝光先生にひざ痛のメカニズムと改善法を教えていただきました。カギは「ひざを伸ばす」体操にあり。1日1回、継続して取り組んで、元気なひざを取り戻しましょう。
※持病などがある方は無理をせず、かかりつけ医に相談してから行ってください。
参考/宝島社『1分でつらい痛みを解消する! ひざ痛これだけ体操』
協力/アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長 高林孝光先生

知っておきたいひざ痛のこと
〝曲がったひざ〞はデメリットばかり ひざの痛みの主な原因「変形性膝関節症」は、加齢や運動不足、肥満などによって引き起こされます。日本人は座っている時間が世界一長いと言われ、これもひざ関節の衰えに拍車をかけているようです。そうしたひざの痛みを抱えている人には、実は「ひざが伸びていない」という共通点があります。あなたのひざは、ちゃんと伸ばして使えていますか?
変形性膝関節症の経過
ひざ痛の原因の約9割を占める変形性膝関節症は、「起床時にひざがこわばる」「ひざ関節に違和感がある」「階段の上り下りの際に強い痛みを感じる」といった初期症状から始まります。常に痛みがあるわけではありませんが、痛みを恐れて安静にしていると、ひざ周辺の筋肉や靱じん帯たいなどがどんどん衰えていきます。
その結果、変形性膝関節症は中期に移行。関節軟骨のすり減りが進んでひざ関節の変形がひどくなり、慢性的に痛みを感じるようになります。ひざが腫れたり、熱をもったり、水がたまることもあります。さらに進行して末期に移行すると、ほとんどの関節軟骨がすり減り、骨と骨が直接ぶつかり合う状態に。ひざ関節の骨が変形してO脚になり、安静時にも強い痛みを感じて日常動作に支障をきたすことになってしまいます。
筋肉や靱帯に悪影響
変形性膝関節症によるひざの痛みを抱えている人には、「ひざが伸びていない」という共通点があります。実はこの状態が、ひざにとってたくさんのデメリットを引き起こす要因となっています。
というのも、ひざ周辺の筋肉はひざが伸びているときにしか働きません。ひざが曲がったままだと、ひざ周辺の筋肉や靱帯が衰えてしまい、ひざ関節がぐらついたり、軟骨がすり減ったり、ひざのお皿が圧迫されるように押されてひざ関節に炎症を起こしたりして、ひざに痛みを引き起こす原因をつくってしまいます。ですから、ひざ痛を改善するには「ひざを伸ばす」ことが必要なのです。
日常生活で「ひざ伸ばし」
ひざの痛みが続くと病院へ行き、温熱療法や理学療法、湿布や痛み止めなどの薬物療法を受けるという人が多いでしょう。しかしこれらは痛みを一時的に抑えるだけなので、根本的な解決にはなりません。ひざ痛を改善し再発を防ぐためには、衰えた筋肉や靱帯を強化することが不可欠です。したがって、先述の治療に加え、「ひざを伸ばす」ための適度な運動療法を自主的に日常生活に取り入れることが必要です。
高林先生が推奨する2 種類の運動療法「伸ばす(ストレッチ)」と「鍛える(トレーニング)」が、『1 分でつらい痛みを解消する! ひざ痛これだけ体操』(宝島社)に多数紹介されているので、挑戦しやすいものから取り組み、徐々に実施する数を増やしていくとよいでしょう。変形性膝関節症の初期や中期はもちろん、末期であっても(かかりつけ医に相談のうえで)できる範囲で取り組めば、ひざ痛の改善につながります。
後半に一部を掲載したので、試しに行ってみてください。
あなたのひざの危険度をチェック!

ひざの負担を軽減する暮らし方
ひざ痛を招く動作や姿勢を改善!
立っているだけでもひざには大きな負担がかかっています。肥満であればなおさらです。また間
違った歩き方をしていると、ひざ痛を悪化させる原因になります。それ以外にも、日常生活の中で
何気なく行っている動作や姿勢が、ひざ痛の原因につながっているかもしれません。運動療法と並
行し、日常の暮らしの中からひざへの負担要素を取り除いていきましょう。
過度な運動を避ける
準備運動をしないで急に激しい運動をすると、ひざに大きな負担がかかります。ひざ痛があるときはストレッチやウオーキング、軽い筋トレから始め、痛みが取れてきてから好きな運動を行うようにしましょう。
ひざを冷やさない
ひざ関節が冷えると血流が悪くなり、ひざのまわりの組織がこわばりやすくなるので、保温性のあるサポーターなどを着用しましょう。夏でも冷房で冷えてしまうので、ひざ掛けなどで温めることを意識してください。入浴では毎日湯船に浸かり、体を温めることも大切です。
正しい歩き方を習慣づける
積極的に歩くのはとてもよいことですが、間違った歩き方をしているとひざ痛を悪化させてしまいます。正しい歩き方を心がけて習慣化することで、ひざ痛が予防できるだけでなく大だい殿でん筋や内転筋を鍛えることもできます。
家事を利用してひざを動かす
家事で体を動かすこともひざ痛の改善につながります。ただし立ち仕事が続くとひざが痛むことがあるので、こまめに休憩を入れるか、立ち仕事と座り仕事を交互に行い、ひざへの負担を減らすようにしてください。
毎日1 分、伸ばして鍛える
ひざ痛の原因、ひざ関節の内側の滑膜の炎症を取るためには運動療法が有効です。ひざに多少の腫れや熱があっても取り組みましょう。ただし、やりすぎは逆効果。穏やかで適度な運動療法「伸ばす」と「鍛える」がおすすめです。



