その不調、「胃」が原因かも?

胃からの危険信号、放置していませんか?

食後の胃のもたれや胸焼け、空腹時の胃痛や日常的な食欲不振など、胃の不調を感じることはありませんか。そうした症状は、弱った胃が発している無言のシグナルです。ぜひ、その声に応え元気を取り戻せるよう対処してあげましょう。

胃の不調を感じたらまず検査を

 胃の不調として多い、痛みや不快感、吐き気などを引き起こす胃炎。中でも慢性胃炎がある方は、ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)に感染している可能性があります。ピロリ菌に感染すると胃の粘膜に萎縮が起こり、胃の働きが悪くなることで胃痛や胃もたれの症状が表れると考えられます。

 またピロリ菌の感染は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、さらには胃がんなどの重い病気につながることがあるので注意が必要です。

 このため、胃の症状が続く方は、一度ピロリ菌の検査を受けることを検討してみましょう。ピロリ菌陽性の慢性胃炎の場合、除菌治療を受けることができます。ただし、ピロリ菌の除菌後に逆流性食道炎が起こるリスクも報告されていますので、それぞれの症状に合わせ、消化器の専門医に相談することをおすすめします。

内視鏡検査で異常がない場合FDの可能性も

 胃のもたれや膨満感、みぞおちの痛みなど、胃の不調が続きながら、内視鏡検査などを受けても炎症などの異常が認められない場合、機能性ディスペプシア(FD)の可能性があります。

 FDの症状は、大きく分けて、食後に出やすい症状と、食後だけでなく空腹時にも出る症状の2つがあります。このうち、食後に出やすい症状としては、食べ過ぎていないのに胃が痛んだり、もたれたりするほか、食べ始めてすぐにおなかがいっぱいになって食べられなくなる早期満腹感などがあります。一方、空腹時にも出る症状としては、みぞおちの痛みや、胸焼けのような感じなどがあります。

 FDの原因は、運動不足や睡眠不足、食生活、ストレスなど、日常生活の中に潜んでおり、暮らしや仕事などに影響を与えるので侮れません。症状が続く場合は消化器専門の医師に相談しましょう。 胃の不調は、身体にさまざまな影響を与えます。それでは、胃が原因と考えられる身体の不調やその対処法などについて紹介しましょう。