冬の上手な洗濯法

3.冬物衣類の洗濯の注意点

 洗濯表示が手洗いマークの衣類はもちろん、ウール素材の衣類やニット類、レース使いの衣類など、デリケートなものは手洗いをおすすめします。「洗濯機で弱い(非常に弱い)洗濯処理ができる」と表示がある場合は、洗濯機のドライコースを使うことも可能ですが、どうしても摩擦などの負荷がかかってしまうため、できるだけ手洗いしましょう。30~40度くらいのお湯を入れた桶に洗剤を溶かし、きれいにたたんだ衣類を5分くらい浸け置いてから押し洗いをしてください。もみ洗いは型崩れやヨレの原因になってしまうので避けましょう。すすぎも押し洗いで。脱水は厚手のバスタオルで包んで水気を吸わせ、平干しします。

 注意が必要なのは、なるべく短時間で洗い上げること。水に浸ける時間が長いほど、特に動物性の繊維は繊維同士が変な形にくっついたり、よれてしまったりします。また洗濯中のお湯の温度が大きく変化すると衣類が縮む原因になりますので、注意してください。

 なお、洗濯機洗い・手洗いにかかわらず、冬の衣類は直接肌に触れないものでも2・3回着たら洗うことをおすすめします。洗わずにいるとたまった汚れが皮膚刺激や衣類の変色などにつながる可能性があるからです。とはいえ、ダウンやコートなどは頻繁に洗うわけにはいきません。そうした衣類は、除菌・消臭効果のあるミストなどをスプレーして、こまめにケアしましょう。

4.冬こそ柔軟剤を活用

 近年、香りによる癒やし効果に注目が集まる柔軟剤ですが、ほかにも特に冬場、柔軟剤を使った方がよい理由があります。

 冬はシベリアからの冷たい季節風が日本海側に多くの雪を降らせた後、乾燥した空気となって山脈を越え、太平洋側に吹き込みます。このため関東地方をはじめとする太平洋側は空気が乾燥し、衣類に静電気が起こりやすくなります。静電気はバチッと刺激が走ったり、スカートの裾が足にまとわりついたりして憂鬱なだけでなく、ホコリやチリ、PM2・5、花粉、ウイルスなどを引き寄せ衣類に付着しやすくしてしまいます。その対策として有効なのが、柔軟剤を使うこと。衣類の表面を滑らかにするので衣類同士の摩擦が減り、静電気を抑えることができます。また衣類の表面が滑らかになれば、肌触りもよくなり、乾燥しがちな肌への刺激を防ぐこともできます。さらには、もこもこした冬の衣類の風合いを保つこともできます。

 一般に、柔軟剤を使うと繊維をコーティングして吸水性を弱めるので、タオルなどには使わない方がよいといわれていますが、それは多めの量を使った場合の話。指定の分量通り、またはやや少なめに使用すれば特に問題ありません。香りも肌触りのよさも吸水性も全部大切という方は、「しっかり吸水する」ことをうたった柔軟剤もありますので、そういうものを選ぶとよいでしょう。