【東洋医学の知恵をくらしに】顎関節症のセルフケア

 口を開こうとするとあごの関節や筋肉が痛む、口の開け閉めで音がなる、食事をしているとあごがだるくなるなど、顎関節症の症状は多岐にわたります。原因はかみ合わせの異常、頰づえなどの生活習慣、猫背などの姿勢不良、ストレスによるあご周りの筋肉の緊張などにあり、それらを改善していくことが重要です。今回は体の歪みを整え、あご周りの緊張を和らげるツボ押しを逸見愛先生に教えていただきました。

「上関(じょうかん)・下関(げかん)」(顔のツボ/左右に各1穴)を押す

 ①上関は頬骨弓部(きょうこつきゅうぶ)(耳の穴の前で一番出っ張っている骨)の上、口を開けると凹む場所に、下関は頬骨弓部の下、口を開閉すると動く場所にあり、ともに顎関節の痛みや開閉障害に効果的なツボ。②患側の上関に中指、下関に人さし指をあて、皮膚を左右に動かし約30 秒マッサージ。③親指でツボを軽く指圧してもOK。②③とも健側の顎関節を手のひらで支え、顎関節を安定させながら行います。患側が終わったら健側も同様に行いましょう。

「帯脈(たいみゃく)」(おなかのツボ/左右に各1穴)を押す

 ①帯脈は体の歪みを整え、顎関節の痛みや開口障害などの症状に効果的なツボ。コリが硬いスジとして現れることが多く、脇の下のラインと、おへその高さのラインが交差するところにあります。②左右のツボそれぞれに手の親指をあて、3秒かけてゆっくり圧をかけ7秒キープ、3 秒かけてゆっくり離す、これを3~5回繰り返しましょう。スジの前・中央・後の3ポイントを指圧するとより効果的。つまむようにほぐすのもOK。③お灸も効果的です。

【ポイント】

 ツボマッサージや舌回しは無理せず行い、痛みが強くなる場合は中止してください。ちなみに、消化不良は歯ぎしりや食いしばりの悪化原因になります。食事は顎に優しく消化のよいものを選びましょう。

【健康メモ】

 正しい舌の位置は、舌先が前歯中央のすぐ後ろにある、小さな突起の後ろに触れていて、舌先から舌の根元まで上顎に吸いついている状態です。舌が上顎についていると、顎関節も安定し、上下の歯に自然な隙間ができ、歯ぎしりや食いしばりの予防につながります。
 舌の正しい位置の定着や、顎関節周りの筋緊張の緩和には「舌回し」が効果的。やり方は、唇を閉じたまま舌の先で外側の歯ぐきをなぞるように、右回りに舌を回します。1 周3 秒の早さで、最初は5回から始め、慣れてきたら回数を増やしていきましょう。左回りも同様に。1日3回行いましょう。

逸見 愛

へんみ・あい

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師。中野区で主宰する女性限定鍼灸サロンで、「体の内側から健康に美しく」をモットーに美容鍼灸を提供。自宅でできるツボ押しやお灸など、セルフケアの普及に努めている。


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