【東洋医学の知恵をくらしに】免疫力を強化するセルフケア

かぜの予防、ひきはじめに効くツボを刺激する

 東洋医学では、かぜ(感冒)は「風邪(ふうじゃ)」が人体に侵襲することでおこると考えられています。風邪の侵入を防ぐために欠かせないのが、皮膚表面を保護して体のバリア機能となったり、内臓を温めて働きをよくしたりして免疫力を高める「衛気(えき)」。今回は衛気の巡りをよくするツボ、「大椎」「合谷」を刺激するセルフケアを逸見愛先生に解説していただきました。

「大椎(だいつい)」を温める

 大椎は全身を温め、のどやおなかの調子も整えるツボ。かぜのひきはじめ、予防に温灸が効果的です。①位置は、頭を前に倒したとき首筋の後ろに一番とびだす骨とその下の骨の間。②貼るお灸(「せんねん灸」)で温めます。肌着の上にカイロを貼っても可(低温やけどの可能性があるので長時間使用はお控えください)。冬はマフラーなどで大椎を冷やさないよう心掛けを。

「合谷(ごうこく)」を押す

 合谷は衛気の巡りをよくし、頭痛、鼻水、歯痛、目の疲れ、肩こりなどにも効果的な万能のツボ。①手の親指と人さし指の骨が交わったところからやや人さし指よりのへこみを垂直に押します。②人さし指の方向に圧をかけると刺激が入りやすくなります。5 ~7秒押したら指を離し、3回ほど繰り返します。かぜをひきやすい方は大椎と一緒にケアすると予防効果が高まります。

【ポイント】

 どのタイプのお灸、カイロも、ピリピリした熱さや痒みなどを感じたら、血行がよくなったサインです。やけどを防ぐため、熱さに注意して行ってください。

【健康メモ】

ツボを温めることで血行をよくし、自然治癒力を高めるお灸

 今では科学的にも評価されている鍼灸治療。心身の健康を気遣う方が増えている今、セルフケアに取り入れてみてはいかがでしょうか? 「 お灸」はツボへの温熱効果で血行をよくし、自然治癒力を高める効果があります。今回、大椎には「せんねん灸」の火を使わないお灸「太陽」を使いました。他にも、もぐさにシールの台がついた台座灸など、お好みでお選びください。
参考=せんねん灸 https://www.sennenq.co.jp/

逸見 愛

へんみ・あい

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師。中野区で主宰する女性限定鍼灸サロンで、「体の内側から健康に美しく」をモットーに美容鍼灸を提供。自宅でできるツボ押しやお灸など、セルフケアの普及に努めている。


《問い合わせ》 鍼灸サロン アンヴレ
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