【東洋医学の知恵をくらしに】冷えから体を守るセルフケア

体のめぐりをよくするツボを刺激する

 東洋医学で「冷え性」は、体全体のめぐりが悪く、さまざまな病気をひきおこす前兆(未病)であるととらえています。冷えが気になる季節はこれからが本番。そこで今回は体のめぐりをよくし、冷えを改善するツボ「三陰交」と「湧泉」、冷えが原因による体調の変化を整えるツボ「承山」と「足三里」を刺激するセルフケアを逸見先生に解説していただきました。

「三陰交 (さんいんこう)」、「湧泉 (ゆうせん)」を押す

 ①三陰交は全身の血液のめぐりをよくして冷え性を改善するツボ。内くるぶしの頂点から指4本分上、スネの骨の内側にあります。

 ②湧泉は特に下半身の血流をよくするツボで、冷えのぼせの症状にも効果的です。足先をぎゅっと丸めた足裏の最も凹んだところにあります。三陰交、湧泉とも親指で5 ~ 7秒押したら指を離し、3回ほど繰り返します。お灸もおすすめです。

「承山 (しょうざん)」を押し、「足三里 (あしさんり) 」を温める

 ①腰かけてつま先立ちをすると、ふくらはぎに凹みができます。その中央が承山で、下半身の血流を改善し、こむら返りや痔にも効果的なツボ。両手の中指を使うと押しやすいでしょう。

 ②足三里はひざのお皿から手指4本をそろえて小指の位置、スネの骨の外側にあります。胃腸機能を整えて水分の代謝を促進し、むくみの改善にもよいツボです。押すのもお灸もおすすめです。

【ポイント】

 ツボはご自分が心地よいと感じる強さで刺激してください。痛みを我慢して押すのは逆効果です。痛い場合は優しくなでたり、手をそっと置くだけでもOKです。

【健康メモ】

心身に不調があるとツボ周辺の皮膚に変調が出現

 ツボは刺激をして不調に働きかけるだけでなく、触ったり観察したりして体の状態を知るポイントでもあります。効果的なツボの探し方は、皮膚表面を優しくなでて指がひっかかる場所、ざらざらしていたりシミやシワになっていたりする場所を探す方法です。心身の疲れはツボのある皮膚表面に血行不良として現れやすく、弾力がなく凹んでいたり、乾燥してキメが粗くなったり、毛穴が開いていたりすることが多いからです。

逸見 愛

へんみ・あい

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師。中野区で主宰する女性限定鍼灸サロンで、「体の内側から健康に美しく」をモットーに美容鍼灸を提供。自宅でできるツボ押しやお灸など、セルフケアの普及に努めている。


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