疲れを取り、安眠を招くツボを刺激する
まもなく春の長雨の時期。昼夜の気温差や気圧の変化、環境の変化も重なり「春バテ」と呼ばれるさまざまな不調が起こりやすくなります。睡眠の質が低下し、「夜なかなか寝つけない」「朝の目覚めが悪い」「日中に眠い」といった症状に悩まされることも。そこで今回は、快眠を得るためのセルフケア法を逸見愛先生に解説していただきました(長期間、睡眠でお悩みの方は専門医にご相談ください)。
「失眠(しつみん)」を温める
①かかとの中央にある失眠は睡眠のお悩み全般に効果的なツボで、眠りの質を高めてくれます。
②いすに座って片脚にかかとをのせたり、あぐらの姿勢をとったり、やりやすい姿勢でお灸を行ってください。熱さを感じない場合は、2 ~ 3個続けてお灸をします。立ってかかとの下にテニスボールやゴルフボールを置き、30秒ほど踏み込む方法でもOKです。
「攅竹(さんちく)」を押す
①眉頭の内側のくぼみ部分にある攅竹は、顔から下肢まで続いている経絡(けいらく/エネルギーが流れる通路)のツボで、脳にも通じており、全身をリラックスさせる効果があります。
②親指と人さし指をツボに当て、目を閉じ、息を吐きながら内側上方に向けて7秒押します。強く押しすぎないよう注意してください。これを3回繰り返します。
【ポイント】
血行不良を起こしているとお灸の熱を感じにくくなります。同じツボに連続3 個までお灸をしても熱を感じないときは、翌日もそのツボにお灸をしてください。
【健康メモ】
ティッシュに垂らして手軽に芳香浴。心地よい精油の香りで質のよい睡眠を
睡眠によいとされる精油はラベンダーやマジョラムなどいろいろありますが、何より大事なのは自分が心地よいと感じる香りを選ぶこと。呼吸が深くなり、リラックス効果が高まります。お皿にティッシュをたたんで乗せて精油を1~2滴垂らし、寝室に置いて香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。なお、精油はアロマテラピー専門店でお求めいただき、持病のある方や妊産婦の方は使用前にかかりつけ医にご相談ください。
逸見 愛
へんみ・あい
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師。中野区で主宰する女性限定鍼灸サロンで、「体の内側から健康に美しく」をモットーに美容鍼灸を提供。自宅でできるツボ押しやお灸など、セルフケアの普及に努めている。
《問い合わせ》 鍼灸サロン アンヴレ
https://unvrai.jp/inquiry/