日本橋人形町界隈を温故知新のぶらぶらさんぽ

新緑が美しい季節、さぁ歩きましょう

江戸時代、芝居小屋や茶屋などを中心に町人文化が花開いた人形町。明治、大正、昭和と変化を遂げつつも、下町の温かさが息づく、ほっとするエリアです。

人形町駅に程近い「江戸落語からくり櫓」。「町火消しからくり櫓」とともに定時になると動き出します。

 江戸時代、日本橋は五街道の起点となり、物資を運ぶ水路が整備されたことなどから、物流の中心地として大きく発展。今も見どころの多いエリアです。今回は各所に歴史を見つけながら人形町界隈を歩きます。

 スタートは東京メトロ人形町駅。からくり櫓やぐらを見上げてから、約一千年の歴史があるという小網神社へ。ここには関東大震災にまつわる逸話があり、当時の宮司が御神体を抱えて新大橋に避難すると、橋は焼け落ちず大勢の人が助かったのだとか。また東京大空襲でも奇跡的に戦災を免れたことから「強運厄除の神様」として今なお大変人気の高い神社です。

小網神社の社殿彫刻「昇り龍」。「降り龍」と対で、「強運厄除の龍」として拝されています。

 参拝を終えたら甘酒横丁へ。たい焼き、豆乳ソフト、いなり寿司 など、誘惑に足止めされながらのぶらぶら歩きが楽しい通りです。

甘酒横丁と浜町緑道の交差点に立つ弁慶像は、江戸歌舞伎発祥の地であることに由来します。

 浜町公園を横切って隅田川へ向かうと、新大橋のたもとに大きな震災避難記念碑があります。碑いしぶみを読み、地震の怖さを改めて心に刻んだあとは、川風を浴びながら隅田川テラスをのんびり歩き。多くの人が散歩したり、ランニングしたり、ベンチで休憩したりしています。そんな憩いのテラスを最後にさんぽを終了。坂道のほとんどない歩きやすいコースでした。

関東大震災避難記念碑。新大橋は多くの命を救ったことから「お助け橋」とも呼ばれました。

Café Musée H

 蛎殻町周辺はかつて銚子の醤油を水揚げしていた場所。「ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション」はヤマサ醤油の倉庫を改装した美術館(入館料一般600円)で、10代目社長の三男・陽三の繊細な銅版画は必見!
 併設のカフェで黒蜜風醤油を混ぜた「マーブル醤油アイス」がいただけます。

カフェ・ミュゼ・アッシュ
東京都中央区日本橋蛎殻町1-35-7
03-3665-0251
https://www.yamasa.com/musee/

※マーブル醤油アイスとセットのアイスは展覧会ごとに変わります。


人形町志乃多寿司總本店

 人形町に行ったらぜひ寄りたい、甘酒横丁の老舗いなり寿司店。創業から百数十年、手作りなのも、こだわりの素材・製法なのも伝統のまま。お揚げは一回煮てから冷暗所で3 ~ 4 日味をしみ込ませ、再び煮るというこだわりぶり。隅田川沿いのベンチでつまむのにもおすすめです。

東京都中央区日本橋人形町2-10-10
03-5614-9300
https://www.shinodazushi.co.jp/


価格に納得!もっとお得に情報収集。
スマホ・タブレット・パソコンで。
いつでもどこでも読める。
「産経電子版 For 産経iD」は、産経新聞やサンケイスポーツ、夕刊フジを、紙面のままパソコンやスマートフォン、タブレットで読めるサービスです。バックナンバーは3カ月分掲載、電子版だけの特別ページも掲載しています。