くらしのさんぽ 東京の水辺をさんぽ ②

季節の花々に彩られる しながわ花海道を歩く

品川区のしながわ花海道は、地元商店街の方々が「勝島運河の防潮堤に花畑を」と活動している緑化プロジェクト。約2㎞の防潮堤に春は菜の花、夏はひまわり、秋はコスモスなどが咲き乱れる、華やかな水辺のさんぽコースです。

例年3月の花海道。菜の花が見事です。かつて荒れ地だったというこの場所も今では住民の憩いの場。開花時期には区外からも多くの人が訪れます。

 東京の臨海域には、さまざまな歴史があります。幕末、品川沖では黒船来航に備え、お台場(軍事施設)を設置するため人工島を築造。当時品川に下屋敷を持っていた土佐藩も、砲台を造って守りを固めました。その砲台跡の沖合の埋め立て地の一部が、今回歩くしながわ花海道です。

 一帯の埋め立てが始まったのは約80年前。戦争などで中断しながらも手が加えられ続け、現在、勝島の西北側が勝島運河となっています。この勝島運河の土手に花畑をつくろうと、2002年夏にしながわ花海道プロジェクトがスタート。約1200ある1・5m四方の区画に個人や学校、企業などのボランティアが種をまき、水やりや雑草取りをして季節の花を咲かせているそうです。

桜と菜の花の共演は絶景。

 編集部が訪ねたのは2月上旬。菜の花の開花にはまだ早く、あいにくの曇り空で物足りなさはありましたが、静かな水面、羽ばたくユリカモメ、係留されている釣り船、そうした景色を眺めながら運河沿いを歩くのは、とても心地よいものでした。早咲きの菜の花は毎年2月中旬頃、通常咲きの菜の花は桜と同じ頃に開花するとのこと。遊歩道沿いには桜並木もあるので、満開のときには菜の花と桜を土手の下から見上げるのがよいかもしれません。最寄り駅は京浜急行の立会川駅または鮫洲駅。JR大井町駅からも徒歩圏内です。

勝島の東側、京浜運河の対岸には広大な海上公園「大井ふ頭中央海浜公園」が広がります。

 花海道を歩いた後は、周辺に残る歴史散策もおすすめ。これも後日、本誌公式サイトでご紹介の予定です。

仙台味噌醸造所

 品川区東大井に下屋敷があった仙台・伊達藩は、東北武士の口に合う味噌の醸造を開始。江戸末期に一般販売すると「仙台味噌」として人気に。明治維新後、八木家が引き継ぎ今に至ります。希少な国産大豆を使った「五ごふうじゅうう風十雨」など、量り売りで販売しており、遠方から足を運ぶファンも多いとか。土・日・祝日定休。

東京都品川区東大井4-1-10
03-3474-0505


坂本龍馬像

 立会川駅近くに建つ、20 歳の頃の坂本龍馬像。江戸時代、この辺りには土佐藩の下屋敷があり、黒船来航の際には江戸で剣術修行中だった若き龍馬も、警備のために滞在していました。黒船に備えた浜川砲台跡には、復元された大砲が展示されています。現在の龍馬像はマスク着用で感染症予防をアピール中。

東京都品川区東大井2-25-22
北浜川児童遊園内


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