「関節リウマチ」は早期治療が重要

有病者は日本で約70万人

 関節リウマチは、かつては治らないとまで言われた病気でした。しかし、今では早期に適切な治療を開始すれば、病気の進行を抑えられる可能性が高くなっています。関節の痛み・腫れが続くようなら、ぜひ早めに受診しましょう。

関節リウマチとは

 免疫は、元来細菌やウイルスを認識して排除する働きをもちますが、機能に異常を起こし、自分の体に対して攻撃を仕掛けてしまうことがあります。これを自己免疫疾患と呼び、その代表的なものの一つが関節リウマチ(RA)です。RAは主に手足の指などの小さな関節に生じます。免疫の異常により、関節の中にある滑膜という組織が増殖して慢性炎症の状態になり、やがて軟骨や骨を破壊していく病気です。有病率は200人に1人の割合で、日本の患者数は約70万人。発症年齢は平均60歳、男女比は1対4で女性が優位です。

 RAのような慢性疾患は、ほとんど内因(遺伝子)と外因(環境因子)の両方が関与します。同じ父母から生まれた兄弟姉妹がRAになると、自分がRAになる可能性は3%程度です。ただ、あるHLA(ヒト白血球抗原)を持っているとRAの発症率は約3倍になります。

 一方、環境因子として理解しやすいのは喫煙と歯周病です。喫煙は主に肺に、歯周病は歯根部に炎症を起こし、血管を介して体の他の部分にも炎症を起こします。両者ともRAの発症率を約2.3倍にします。重要なのは、特定のHLAを有する人が喫煙したり歯周病になったりすると抗CCP抗体(RAに特異性の高い抗体)が産生され、RAの発症に結びついてしまうということです。

治療薬の選択と禁忌事項

 RAの治療は薬の進歩により、この20年で劇的に変化しました。1999 年にメトトレキサート(MTX)、2003年に生物学的DMARDS(インフリキシマブ)が認可、導入され、重症難治性RAの治療も可能になりました。さらに2013年には経口の分子標的型DMARDSが導入され、選択肢が拡大。治療によってRAが寛解(症状がほとんどなく、検査所見もほぼ正常範囲に入る)状態になると、骨破壊はほとんど進行しません。

 治療の第1段階では、まず費用対効果比に優れたMTXの投与を開始します(妊娠中または妊娠を計画している方、重大な血液障害、腎機能障害、肝機能障害、呼吸器障害を有する方などには投与されません)。3.6カ月間MTXで治療を行い、十分に改善しない場合は第2段階に移行し、生物学的DMARDSなどの強力な治療薬を使用します。

 約20 年前から治療ガイドラインや推奨が作成されたこともあり治療が大きく変化した結果、薬物治療がうまくいくようになり、寛解と低疾患活動性(寛解に近い状態)が増加しました。関節の痛み・腫れが続いたら、早めにリウマチ専門医の診察を受けることをおすすめします。

監修
本島 新司

もとじま・しんじ

医療法人徳洲会 湘南藤沢徳洲会病院
リウマチ・膠原病・アレルギー科 センター長

https://fujisawatokushukai.jp/

1976 年岐阜大学医学部卒業。日本リウマチ学会専門医・指導医。日本アレルギー学会アレルギー専門医(内科)・指導医(内科)。

監修
中下 珠緒

なかした・たまお

医療法人徳洲会 湘南藤沢徳洲会病院
リウマチ・膠原病・アレルギー科 部長

https://fujisawatokushukai.jp/

1999 年琉球大学医学部卒業。日本リウマチ学会専門医・指導医。日本アレルギー学会アレルギー専門医(内科)・指導医(内科)。